ドロップシッピングについて

ドロップシッピングの歴史と基礎知識

発祥はアメリカ

 「ドロップシッピング」というビジネスは、オークションサイト「eBay」で、メーカーに代わって個人が代理で出品をして、商品を販売するスタイルから生まれたのが、そもそもの始まりでした。

 まさにフリーマーケットの文化が根付く、アメリカらしいネットビジネススタイルでしたが、それがやがて、アメリカのソルトレイクにあるDobaという会社が、メーカーと出品者を取りまとめることをビジネスとしてスタートさせて、その活躍が、やがてアメリカから日本に伝わって、日本でドロップシッピングが普及しはじめました。

日本とアメリカではドロップシッピングのスタイルが違う?

 先述したように、アメリカのドロップシッピングは、「オークション」が主体になるので、とにかく価格で勝てる商品を、いくつオークションサイトに出品できるかが勝負どころとなります。  対して日本のドロップシッピングは、オークションでの販売は商品が手元にないことから“空売り”となってしまうこともあり、利用規約に違反してしまうこともあるため、あまり一般的な手法としては馴染んでいません。

 それよりも、キーワード広告と検索エンジン対策を駆使して、ページ作りとキャッチコピー作りで商品を売っていくやり方のほうが“定番”となっており、やや日本のドロップシッピングのほうが、ネットショップ運営に近い販促手法といえます。
 ドロップシッピングの発祥の地は確かにアメリカではあるのですが、やはり文化や習慣の違いによって、日本のドロップシッピングは、独自の運営方法でマーケットを今後も拡大していく模様です。

ドロップシッピング群雄割拠時代

 さて、日本に上陸したドロップシッピングですが、普及しはじめた2005年頃は、たくさんのドロップシッピングのサービス提供会社が誕生しました。
 私が記憶しているだけでも10社近くあったと思います。
 ペット用品に特化したドロップシッピングや、北海道の名産品に特化したドロップシッピング、他にも大手企業からベンチャー企業まで、多くの会社が、この「ドロップシッピング」という、新しいビジネスにチャレンジしました。

 しかし、商品管理の難しさや、システムの複雑さ、メーカー側との調整や、販売主であるショップオーナーへの教育等、“代理販売”といえども、その仕組みづくりは非常に難しく、時間が経つにつれて、1社、また1社とドロップシッピングの業界から、会社が消えていってしまいました。
 しかし、だからといって業界は縮小するどころか、確実に利用者と売上流通額を伸ばし続けていきました。

ショップオーナーやメーカー側も、いわゆる“勝ち組”であるドロップシッピングのサービス会社のほうへ流れていき、最終的には、2社の大手ドロップシッピング会社と、家族経営規模の小さなドロップシッピングの会社が数社存続しているという、両極端な業界構図になってしまったのが、現在のドロップシッピングの市場状況と言えます。

不況を追い風に変えたドロップシッピング

 さらにドロップシッピングの成長の追い風となったのが2008年9月に起きた「リーマンショック」でした。

 日本の経済は直撃をくらい、一気に市場は冷え込みましたが、その反面、「自分の生活は自分で守らなくては」という意識を持った人が増えて、結果、ドロップシッピングを利用して、副業や小遣い稼ぎをする人が急増したのです。
 リスクがなく、すぐに始められて、なおかつ、ネットビジネスのスキルアップにもつながるということもあり、不況には非常に強いビジネスとして注目を集めて、テレビやマスコミでの露出も高まってきました。

 そして現在では、ネットビジネスとして確固たる地位を築き、ネットオークション、ネットショップ、アフェリエイトと並んで、日本を代表するEコマースとして、成長を期待されているビジネスのひとつとして、注目を集めています。
 ドロップシッピング・サービス会社で最大手である「もしも」を例にすれば、2010年5月現在、会員数30万人以上、商品点数約10万点となっており、その数は今でも急増しています。

 まさに“生活防衛本能”が高まれば高まるほど、急成長するという特異なビジネスモデルが「ドロップシッピング」なのです。

ドロップシッピングの将来性

「ネットビジネスの代理店業」といえば、ただの商取引ビジネスしかイメージしないと思いますが、このドロップシッピングには、実は他のEコマースにはない、すばらしい成長とわくわくするような未来への可能性が潜んでいます。

 まず、最近の傾向で言えば、パソコンからの注文のほかに、携帯サイトからの注文が非常に増えており、売上の中の高い比率を占めるようになってきました。
 また、インターネットの中にとどまらず、紙媒体を利用したドロップシッピングや、ラジオやテレビと連動したドロップシッピングによる販促も模索しており、この「ネットでの代理店業」には、思わぬ販促チャンスが眠っている可能性があります。

 また、在庫を抱えず、仕入れリスクもないので、地方都市や過疎地、離島でもネットビジネスで収入を得ることも可能なのも、ドロップシッピングの特徴のひとつと言えます。
 子育て中の主婦、定年退職後のシニアの方、お体の不自由な方など、いわゆる社会的に事情があって、不利な立場に立たされてしまっている人でも、パソコンがあって、ネットさえ通じれば、収入を得るチャンスをつかむ事ができるのです。

 しかも、場所を選ばないのがドロップシッピングの最大の特徴なので、このビジネスは、世界の貧困で苦しむ国の人に、円を稼ぐ機会を与えることができる、数少ないビジネスのひとつなのです。
 ドロップシッピング・コモンズでは、このようなドロップシッピングの保護と普及を目指して、将来の明るい日本を作っていく活動ができればと思っております。

(執筆:ドロップシッピングコモンズ 理事長 竹内謙礼)