ドロップシッピングについて

ドロップシッピングを行う前に、
絶対に知っておかなくてはいけない法律豆知識 ドロップシッピング・コモンズ理事長 竹内謙礼

「ドロップシッピング」は自由に商品を選んで、自由に販売できるという“楽しみ"がある反面、インターネットという公の媒体を利用して、不特定多数の人に商品を販売するという“責任"があることを忘れてはいけません。

ここでは、ドロップシッピングをはじめる前に、最低限、抑えておかなくてはいけないインターネットの法律について、分かりやすく解説します。

ドロップシッピングの初心者だけでなく、ドロップシッピングを長年やり続けている人も、再確認の意味も込めて読んでいただければと思います。

個人事業主でも法律を遵守する必要があります。

商品を売りたいという気持ちが先走ってしまい、大げさな表現をしそうになったり、過激なキャッチコピーを書こうとしたりすることは、誰でも一度は経験があるはずです。

しかし、“自分のホームページだから自由に書いてもいいだろう"という、軽い気持ちでキャッチコピーや商品説明文を書いてしまうと、その言葉を信じて商品を購入した人は、期待を裏切られたときに、必ず“だまされた"と思うはずです。

その場合、訴えられてしまうのは、やはりその商品の販売ページを製作した人であり、「商品が手元にない」「商品を送付したのは私ではない」と言っても、商品をネットで販売した人に対しても責任が問われるのが、今の日本のインターネットに関する法律の基本ではあります。

「個人で、ホームページでちょろちょろ売っているだけだから、訴えられたり、逮捕されたりすることはないだろう」と軽い認識の上で、ドロップシッピングを運営されている方が一部にはいると思いますが、個人、法人にかかわりなく、ネット上での法律違反は厳しく追及されますので、くれぐれもネット上の表現に関しては、注意して書いてもらいたいと思います。

法律に違反するとどうなるの?

昨今、ネットを含め商品を販売する時に問題になりやすい法律には、以下のようなものがあげられます。

  1. 薬事法
  2. 景表法
  3. 健康増進法

これらの定められた法律に違反すると、その法律の管轄省庁、および各都道府県の管轄部署からドロップシッピングのサービス提供している会社に連絡が入り、そこからドロップシッピングの利用者に対して、間接的に違反箇所の修正指導が行われます。(これはドロップシッピングのサービス提供会社によります。直接個人宛に連絡が入ることもあります)

この際、スピーディに、違反したキャッチコピー、商品照会文の修正作業を行わなければ、ドロップシッピングのサービス提供をしている会社から、商品が卸せなくなったり、ドメインが消されてページが削除されたり、何かしらの停止措置が行われます。しかし、素直に間違いを認めて、違反箇所を修正すれば、そのような厳しい処分が行われることは多くはありません。

ただし、修正も行わず、ページも削除されたのにも関わらず、ドロップシッピングとは別ルートで商品を仕入れて、大げさな表現で商品を販売したり、違反した表現を利用して商品を売り続けていたりすると、今度は直接、ページ製作者を管轄部署が指導しにくるケースがあります。

悪質な場合は、当然、逮捕という最悪事態もありえます。

実際、みなさんもテレビのニュース等で、誇大表現のキャッチコピーで逮捕される人や、治らない病気なのに「治る薬です」と言って逮捕される人などを見てきていると思いますが、そのような非現実的な世界が、自分にも起こりうるという環境であることは、頭の片隅にでも入れておいてもらいたいと思います。

どのように注意すればいいの?

では、具体的にどのようなことに注意すればいいのでしょうか? ここでは、各法律について、もう少し具体的な対策について述べたいと思います。

【薬事法】

ネット通販においては、健康食品を含む食品や化粧品、または健康器具などで問題となる法律です。ドロップシッピングの場合、もっとも注意しなくてはいけないのは「表現」です。

実は薬事法では、法律で定められた医薬品・医療機器以外、基本的には効果効能をうたってはいけないということが決められています。分かりやすい事例で言えば、「治る」という表現です。いくら効果があって、知名度のある商品だとしても、このような医薬品のような効果効能を表現することは法律では禁止されています。

「でも、ネットで売られている商品で、効果効能を表現しているキャッチコピーをよく見かけるよ」

そのように反論される方がいらっしゃいますが、基本的にこのような表現を使っているホームページは処罰の対象となり、何かしら管轄部署から指導が必ず入ります。また、そのような表現を用いているホームページを考察してみると、効果効能を表現せずに、上手な表現のキャッチコピーを用いたり、そもそも効果効能がやや表現できる一部の医薬部外品や医療機器だったりするケースもありますので、細かく確認されることをお勧めします。

なお、薬事法違反の場合は、3年以下の懲役、若しくは300万円以下の罰金。実刑を受けるケースは少ないですが、執行猶予がついたれっきとした“犯罪"となります。

【景表法】

これはドロップシッピングで取り扱う、すべての商品が適用対象となります。本来の実態よりも、よりよく見せるために、大げさな表現のキャッチコピーを用いたり、実際にはない商品データを掲載したりすることが、違反行為と認定され指導が入ります。

例えば、「コルクマット」を販売する場合、「防音効果が上がり、隣の部屋に一切音が漏れません」というような、根拠がない誇大な表現を使った場合、“ウソをついて騙して商品を売ろうとしている"と判断されて、厳しい指導を受けることになります。

根拠があるデータやテスト結果があれば、表現してもいいですが、思いつきや想像だけで、お客さんを煽るような表現を用いるのは禁じられています。これは“法律違反"という理由だけではなく、商品を購入したお客さんまでも悲しい思いにさせてしまうので、このような表現に関しては、最低限のマナーを守った上で、しっかりと自分の使う言葉には責任を持って表現してもらいたいと思います。

なお、指導に従わず販売を続けた場合には、2年以下の懲役、若しくは300万円以下の罰金となる恐れがあります。

【健康増進法】

薬事法と似ているところがありますが、こちらは病気という重い症状よりも、「ダイエット」や「禁煙」に関するような、“健康"を対象にした法律となります。「やせる」「タバコが必ず止められる」等の表現は、一見、“このくらいの表現なら見逃してくれるだろ"と思って、軽く見ている人が多いですが、このような、私たちが日常会話の中で気軽に使っているような表現も、実はインターネット上で“商売"として活用しようとしてしまうと、厳しい処罰の対象となってしまいます。

命令に違反すると6ヶ月以下の懲役、若しくは100万円以下の罰金に処されます。

参考景表法に基づく行政処分(違反した企業への処分)については
以下のサイトでまとめられています。

東京都 景品表示法に基づく指示・指導
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/hyoji/keihyo/instruction.html
消費者庁 景品表示法関係公表資料
http://www.caa.go.jp/representation/
公正取引委員会の景品表示法関連情報
http://www.caa.go.jp/representation/keihyo/kouhyou/keihyojiken.html